草場仁志 がん薬物療法専門医になって。updated; 2008.11.01

臨床腫瘍学会「がん薬物療法専門医」資格認定試験を受験して 〜合格者からのメッセージ〜 より
昨今のがん治療に対する注目と期待は、報道などで盛んに取り上げられているように大変なものですが、第一回がん薬物療法専門医に合格された先生を身近に見ている私にとっても、その反響は予想以上のものでした。がんの患者さんやそのご家族のみならず、様々な分野の専門医や医療機関の方々からの相談や紹介が急激に増え、こうした専門医が求められている状況を改めて実感しました。このように誕生した時から既に、大きな期待と責任をおっている認定制度ですが、腫瘍学に興味を持つ多くの若い医師や学生にとっても、目標となり励みになる重要な制度だと思います。
私は医師免許取得後の数年間、生まれ育った九州の大学病院や地方病院での診療に携わっていました。そのとき、がん患者さんが非常に多い一方、その分野の専門医がいないために適切な治療を受けられない患者さんも多いこと、さらに医師・看護師の間でも、がん薬物治療法はもとより臨床腫瘍学について横断的な知識を持つ専門家が求められていることを感じました。私自身も系統だった臨床腫瘍学の教育を受けていなかったため適切な治療やケアができているのかどうか不安な毎日でした。ちょうどこうした時期に国立がんセンター中央病院のチーフレジデントとして研修する機会を頂き、さらに臨床腫瘍学会の教育セミナーも開始されて、系統だった知識や技術の習得のみならず、チーム医療のリーダーとして求められている活動についても学びました。
これからは、がん薬物療法専門医として、標準的治療の実践と治療開発、若い医師、看護師への教育を行いながらがんという困難な疾患に対して、質の高い、心と体のキュア・ケアを目指した診療を行っていきたいと思います。


